2020年4月27日月曜日

スクールカウンセラーだより

                  新緑号 1

こんにちは。休校中いかがお過ごしでしょうか。私たちは今、一生に何度も経験しないような状況にあります。新しい問題に直面した時には、「良い方法」は準備されていません。多分、世界中のそれぞれの立場の人々が、見えない敵に立ち向かって奮闘中です。何が最善だったかは、ずっと後にわ分かることです。今はできるだけ不確かな情報に惑わされず、自分の心に起こる不安や不信、怒りなどに振り回されないように工夫して元気を保って待ちましょう。そのために「ストレスマネジメント」の話をちょっとだけ書きます。
                       
                  ストレス…理論編

 心や体に負担になることを「ストレッサー」と言います。軽くても重くてもです。今は、外出を制限されること、友達に会えないこと、習い事に行けないこと、学校に行けないこと、少し意外かもしれませんが、ずっと家族と一緒にいることなどもあてはまるかもしれませんね。勉強はもちろんストレッサーですが、結果的に役に立つストレスもあるんですよ。

 実は、ストレスがなくなることは生きている限りないのです。ストレス感を覚えずに「楽にできること」というのは、①心臓が動くとか呼吸をする、胃腸が消化をするなどの「意識しなくても体がやってくれること」か、②これまでにたくさん練習をして、「慣れてしまっていること」、③「得意なこと」、だと思っていいでしょう。

慣れてしまっていることは、例えば「言葉をしゃべること」もその一つです。運動が大好き!という人は運動神経や体格に恵まれていて「得意」になったのかも。そういう人は運動を「ストレッサー」だと感じませんが、苦手な人にとって運動は苦痛なストレッサー以外の何物でもありません。人と関わることが大好きな人は学校が楽しいかも、一方、一人でいる方がいいという人は集団行動はけっこう我慢しているかもしれませんね。このように、何がストレッサーになっているのかとか、負担や苦痛に感じる度合いは人によって違います。ですから、自分が楽だからといって、他人も楽だとは限らないし、その逆も言えますね。

そして大事なことは、与えられたストレスを克服した時には、人は成長している、前よりもっと良くなっているということです。そういう意味では、学校は皆さんのためのストレッサーの宝庫ですよ。ただし、中には「捨ててよい、逃げてよい」こともあるのも確かです。全部得意になる必要はないし、そんなに人間は万能ではありません。それでいいんです、いつもなら。
さて、問題は今。いくつかの観点で、私たちに逃げ場はありません。なんだか長期戦になりそうな感じもありますね。でも、負けません。ではどうしましょうか。実践編に続きます。(SC 古川 幸)